>>水に恵まれた富山県
全国で選定された「名水百選」のうち、富山県内で選定された名水は、「名水百選」、
と「平成の名水百選」をあわせると選定数は8件となり、熊本県と並んで全国最多と
なっております。今回はこの富山県の名水百選についてご紹介させていただきます。
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■名水百選から |
(入善・杉沢の沢スギ))
(黒部・生地の清水) |
【湧水】黒部川扇状地湧水郡(くろべがわせんじょうちゆうすいぐん) |
黒部川扇状地の扇端部には、清澄な水に恵まれた湧水地帯が広がっ
ている。点在する「共同洗い場」は古くから生活水として人々を潤し、また
「杉沢」には湧水で育った沢スギが群生するなど貴重な自然を残してい
る。
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所在地 |
富山県 黒部市生地・下新川郡入善町
(杉沢・沢スギ自然館)入善町吉原950
(生地の清水)黒部市吉田
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水質・水量 |
水質・水量は、選定当時とほぼ変わらず、良好な状態を保って
おり、水量も豊富である。 |
由来・歴史 |
黒部の源は、北アルプス鷲羽岳、黒部五郎岳付近に広がる
“雲の平”を中心とした広大な草原台地。冬には日本海で発
達した雪雲がその台地に大量の雪を降らせる。春、雪が解
け、黒部の川の流れが始まり、途中で水を集め、黒部ダム
やトロッコ電車で有名な黒部峡谷を一気に駆け下り、やがて
黒部四十八ヶ瀬と呼ばれた黒部平野へと達する。黒部の地
表水は黒部平野の田畑を潤し特産物を育て、黒部の地下水
は富山湾海底から湧き出し、魚介類に豊富な淡水性のミネ
ラルを与えている。また、その地下水の一部は地表に湧き
出、古来から清水(しょうず)として人々の生活を潤してきた。
黒部川扇状地の末端部で、地下水の湧出する海岸に近い
地域にスギの多い林が発達し、昭和48年頃から圃場整備
事業で多くの沢スギが水田化されたが、吉原柳原地区の
2.67haは唯一の杉沢として残された。
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【湧水】穴の谷の霊水(あなんたんのれいすい) |
「穴の谷の霊場」の参道から108段の石段を下った谷間に薬師観音堂
があり、そこに祀られた薬師如来像横から尽きることなく湧き出る水は、
難病に効く霊験あらたかな霊水とされ、日々参詣者が絶えることはない。
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所在地 |
富山県中新川郡上市町黒川
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水質・水量 |
不純物の混入がほとんどないため腐りにくいとされている。酒、
みそ、醤油などの製造にも利用されている。 |
由来・歴史 |
その昔、穴の谷の洞窟には白蛇が棲むとされ、人々は近寄る
ことを恐れたが、江戸時代、美濃国の白心法師がこの地で修
行して以来、霊場として知られ、多くの修行僧や参詣人が全国
から訪れるようになった。参道から108段の石段を下った谷間
に薬師観音堂があり、そこにまつられた薬師如来横から尽きる
ことなく湧き出る水は、難病に効く霊験あらたかな霊水とされ、
日々参詣者が絶えることはない。 |
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【湧水】立山玉殿の湧水(たてやまたまどののゆうすい) |
立山黒部アルペンルートの立山トンネルの開通により、標高2450m室堂に
噴出した湧水である。霊峰立山の主峰雄山直下から湧くその豊かな水は、
2〜5℃と非常に冷たく、多くの登山客や観光客ののどを潤している。
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所在地 |
富山県中新川郡立山町
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水質・水量 |
水量は1日2トン、水温は真夏でも2〜5℃という冷たさで口
当たりが柔らかく美味しい。この湧水は、立山連峰の万年雪
が地中に染み込んだ後、250年もの間(一説による)地中に
埋まっているため、花崗岩や変成岩によって不純物がろ過さ
れミネラルを適度に含んでいる。 |
由来・歴史 |
立山玉殿の湧水は中部山岳国立公園立山連峰の雄山直下
から湧出する地下水である。この地下水は「玉殿の岩屋」が
ある室堂一帯に潤いをもたらしていたもので、立山トンネルの
開通によりその一部が湧出したものである。 |
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【湧水】瓜裂清水(うりわりしょうず) |
およそ600年前の昔、綽如上人がこの地で休息された際に、連れた馬の
蹄が突然陥没し、その跡から清水がこんこんと湧き出て、この水の冷た
さに瓜が自然に裂けたということから、上人は自らこの水を「爪裂清水」と
命名したといわれている。
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所在地 |
富山県砺波市庄川町金屋
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由来・歴史 |
およそ600年の昔、綽如上人がこの地で休息された折り、
連れた馬の蹄が突然陥没し、跡から清水がこんこんと湧き
出て、その水の冷たさに瓜が自然に裂けたといわれ、上人は
自らこの水を「瓜裂清水」と命名した。 |
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■平成の名水百選から
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【湧水、河川】行田の沢清水(ぎょうでんのさわしみず) |
所在地 |
富山県滑川市
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水質・水量 |
年間を通して水温13℃前後。1日の湧水量:約50トン |
由来・歴史 |
一帯は、平安時代末期から室町時代にかけて、京都の祇園社
(八坂神社)領「堀江庄」の一郭で、その年貢米を作った「祇園
田(ぎおんでん)」があったことから、行田(ぎょうでん)の文字を
あて、現在の地名となったと伝えられている。 |
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【湧水、河川、地下水】いたち川の水辺と清水(いたちがわのみずべとしみず) |
所在地 |
富山県富山市
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水質・水量 |
1日の湧水量:
石倉町の延命地蔵の水;約40トン/水神社(自噴);約20トン |
由来・歴史 |
石倉町の延命地蔵については、安政5年(1858年)の大地
震の際、多くの土砂が辺りを覆いつくし、多数の病人がでた。
この時、お告げに従い、川から拾い上げた地蔵尊像を供養し
たところ、病に苦しむ人々が快方に向かったと伝えられており、
以降、この地の湧水は「万病に効く水」として知られるように
なった。 |
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【湧水】弓の清水(ゆみのしょうず) |
所在地 |
富山県高岡市常国591
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水質・水量 |
1日の湧水量:約80トン |
由来・歴史 |
寿永2年(1183年)平家打倒のため挙兵した木曽義仲は、
越中に進出し5月9日この地(般若野)で平氏軍と戦った。
「弓の清水」は山道を歩いてきた源氏の兵士達がのどの
渇きを訴えたので、義仲が「南無八幡大菩薩」と源氏の守り
神に祈願を込めながら弓を引いて矢を大地に放つと、その
地点から清水が湧き出て、兵士たちが再び元気を出して再
度進撃したという伝説に由来する。 |
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【湧水】不動滝の霊水(ふどうだきのれいすい) |
所在地 |
富山県南砺市
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水質・水量 |
1日の湧水量:約300トン |
由来・歴史 |
天保(1830年頃)のころ、日照りが百日間続き、井戸水も
かれ疫病がはやった。その時、常永寺十八代住職がこの水
を不動滝に捧げ七日七晩祈ったところ雨が降り、万物がよみ
がえり干ばつから村民を救ったと伝えられている。 |
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「名水百選」と「平成の名水百選」についてはこちらをご覧下さい。
出典−環境省「名水百選」、「平成の名水百選」
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