傾向と対策について
各地で桜の開花が報告され、暖かく気持ちのいい季節を迎えてます。
しかし、一方で春ならではのやっかいなものも・・・。
今回は気象予報士の間で使われ、最近では天気予報でも耳にするフレーズ、
「春の5K」についてご紹介します。
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「春の5K」とは |
春に注意が必要な、頭文字がアルファベットの「K」で始まるものが5つあります。
乾燥、花粉、強風、寒暖差、黄砂、この5つを「春の5K」と呼びます。
暖かく過ごしやすい季節になったはずのに、なんとなく体調を崩しがち、やけに眠い、疲れがとれない、などといった不調を感じている方は要チェックです。
この5Kを意識してみることで過ごしやすくなるかもしれません。
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1.乾燥(Kansou) |
天気のよい青空が広がる日は空気の乾燥に注意が必要です。
4月から5月は一年の中で一番低い湿度が出現しやすく、30%を下回る日も珍しくありません。
極めて低い湿度になるときは、山を吹き降りた風が乾いた熱風となるフェーン現象が発生する場合が多く、体調不良や火災の原因になることもあります。
【対策】
人間の健康に快適な湿度は50%前後です。
40%を下回ると、喉などの粘膜のバリア機能が低下しやすくなり、体の様々な部分に強い乾燥を感じる人が増加する傾向があります。
喉やお肌だけでなく、目、髪の毛、指先なども保湿ケアが必要になります。
(POINT1)入浴時にできること
・せっけんを泡立てて優しく洗う・弱酸性のせっけんを使用する・タオルでゴシゴシしない
(PONT2)湿度の調整
・室内の湿度を40~60%に保つ
(POINT3)肌の保湿
・クリームやオイルなど保湿成分の高い保湿剤を使用する
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2.花粉(Kafun) |
花粉の飛散量は晴れた暖かな日だけでなく、雨の日の翌日や風が強い日も多くなる傾向があります。(雨上がりの翌日は2日分まとめて花粉が飛散すると言われています。)
一日の中では、気温が上がって飛びやすくなる昼頃と、気温が下がって上空の花粉が落ちてくる夕方頃に多く飛散します。
気温が上がる前の午前10時頃までは、少ない傾向があると言われています。
【対策】
花粉症予防の3大原則は、「花粉を吸わない」・「花粉に触れない」・「花粉を持ち込まない」の3つ。室内に持ち込まないように、
・服についた花粉をよく払ってから家に入ること
・帰宅後は早く洗顔や入浴をして、顔や体・髪などに付着した花粉を洗い流すこと
がおすすめです。
また、ポリエステルなどの化学繊維は比較的付着しにくい傾向があります。花粉が多く飛ぶ日は、表面がツルツルした花粉の付きにくい素材の服装を選ぶのも良いでしょう。
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3.強風(Kyouhuu) |
春は4月をピークに一年の中でも強風になる日が多い季節です。
春に風の強い日が多くなるのは、発達した低気圧の通過が多いことと、日差しの強まりによって、空気の対流が活発になるためです。
【対策】
風の強い日は、気圧や気温、湿度などのアップダウンが大きく、また、花粉も飛びやすくなりますので、体調管理に注意が必要です。
山越えで乾燥した強風をもたらすフェーン現象が発生すると、頭痛などの不調が起こりやすいので、外出には気をつけましょう。
(出典:国土地理院 東京都累年平均)
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4.寒暖差(Kandansa) |
春の晴れた日は、朝は低温、日中は暖かく、と一日の気温差が大きくなりがちです。また、陽気の日の後に、冬に逆戻りしたような寒気が入ったりと、急激に寒くなることが5月のGW頃までよくあります。
気温差が大きいと(特に7℃以上)、体温を調節する自律神経が過剰に働いてしまい、寒暖差疲労が起きて、体調不良の原因になることがあります。
【対策】
寒暖差が様々な不調の原因となることがあるため、日頃から気温予想をチェックして服装の調整や体調管理に注意しましょう。特に寒冷前線が通過する際には、強い雨が降るとともに、気温が急激に低下、気圧は急激に上昇するため、寒暖差や気圧変化で体調を崩しやすくなります。
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5.黄砂(Kousa) |
黄砂は東アジアの砂漠域(ゴビ砂漠、タクラマカン砂漠など)や黄土地帯から強風により吹き上げられた多量の砂やちりが、上空の風によって運ばれ、大気中に浮遊する現象です。
日本では4月をピークに春が多く、空が黄色っぽく煙ることがあります。ぜんそくなど呼吸器系疾患を悪化させることがあり、注意が必要です。
【対策】
洗濯ものの外干しを控え、濃度が高い時は出来るだけ窓を開けないようにしましょう。また、外出時はマスクを着用し、帰宅後は早めに洗顔や入浴をして黄砂を洗い流しましょう。
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