全国の自治体が水道料金を2043年までに平均43%値上げ実施!
水道料金の値上げは、ここ近年で着実に進行しています。
インフラの中でも最重要とも言える水の価値が上がっている実情は深刻な問題と捉えなければいけません。
この「ひとくちメモ」でも何度か取り上げてきた「水道料金値上げ」のテーマですが、コロナ禍を経て、ここにきて明らかに動きが拡大しています。
加速する値上げの実態とその背景について、ご紹介していきましょう。
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■水道料金値上げの理由 |
まずは、なぜ水道料金は値上げされるのでしょうか。
1.電力、ガス料金の値上げによる供給コスト維持のため
2.水道管老朽化等によるコスト維持のため
3.人口減少による使用量の減少
全ての国民が安全な水を自由に確保するためには、水道施設、設備の整備や更新、老朽化した水道管の修復、交換するなどのメンテナンスを施す必要があります。
さらに、近年多発している大規模な自然災害時にも耐えうるよう、耐震化などの防災対策の強化も必要です。
震災時に起こる断水の主な原因は、老朽化した水道管の破損によるものです。
早急に老朽化した水道管を更新する必要があることは明らかなのですが、地中に埋まった水道管の修復、交換作業には膨大な費用が必要となるため、なかなか進んでいないのが実情です。
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■水道料金は4割値上げ?!(今後の予測) |
2043年までに水道料金の値上げが必要と推計される事業体は、
全国で94%に及ぶという調査結果があります。
また、その際の値上げ率も平均43%と高いです。
EY新日本有限責任監査法人と水の安全保障戦略機構事務局の共同調査によると、水道設備の老朽化や人口減少による水道料金の値上げは2043年までに全国の事業体の94%で行われ、平均では43%の値上げになると予測されています。
特に北海道、東北、北陸地方では値上げ幅が大きい予測で、この地域では3割以上の事業体で50%以上の値上げがなされると予測されています。
(出典:ファイナンシャルフィールド)
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■静岡県の事例 |
人口減に伴う水需要の減少や設備の老朽化で収支悪化が見込まれるとして、水道料金を値上げする市町が静岡県で相次いでいます。
水道事業を担う自治体に追い打ちをかけるのは、送水などに必要な電気代の高騰です。想定を前倒し、値上げの検討を急ぐ自治体も出始めています。
県内の多くの自治体は、2019年10月に消費税率10%に上がった際、増税分を転嫁する形で水道料金を上げました。増税後の2020年度以降にも値上がりしたり値上げの方針を決めたりした自治体が、35市町のうち4割の14市町に上ります。
今年4月には、島田市、磐田市、御前崎市、伊豆の国市、森町の5自治体が値上げしました。
10月には富士市も水道料金が上がります。
2022年度には袋井市、河津町、小山町が値上げしました。
水道料金を値上げした市町(2020年度以降。下水道料金のみや予定も含む)
現時点では値上げの方針を表明していなくても、庁内では検討を進めている自治体もあります。さまざまな物価上昇が進む中、水道料金を値上げする市町はさらに増える可能性があると言えます。
(出典:朝日新聞デジタル)
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