>> 温室効果ガスが気候変動に与える影響
10月5日、2021年のノーベル物理学賞を地球の気候変動予測の道を開いた真鍋淑郎・米プリンストン大上席研究員らに授与との発表がありました。
今回は、この最新ニュースより話題を取り上げてみました。
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■その内容は? |
高性能のコンピューターを駆使し、二酸化炭素(CO2)などの温室効果ガスが、地球規模の気候変動に与える影響などを予測した先駆的な研究が評価されました。
真鍋氏への授賞理由は「地球温暖化を予測する地球紀行モデルの開発」で、気候学分野での物理学賞受賞は初めてのことだそうです。
真鍋氏は1958年、米気象局(当時)の研究員として渡米。67年に高速コンピューターを使い、大気の運動と気温との関係を定めるモデルを開発し、「CO2が2倍に増えると地上気温が2.36度上昇する」との予測を明らかにしました。
さらに、89年には大気、海洋、陸上の気性が互いに与える影響を組み込んだ本格的な温暖化予測に成功。成果は、世界の科学者らでつくる国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」が翌90年に発表した第1次評価報告書に取り入れられました。人間の活動と温暖化との関係を明らかにしたIPCCは2007年にノーベル平和賞を受賞しました。
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■環境省、気象庁からの喜びの声 |
環境省の幹部は「現在の気候変動に関する研究には真鍋さんが基礎を作ったモデル分析の手法は欠かせず、その功績は計り知れない。今回の受賞は、気候変動対策を考えるうえで科学的な知見に基づいた判断が求められていることが改めて裏付けられたと感じている。」と話していました。
また、気候変動対策を担当する職員は「今月末からは国連の会議『COP26』も開催されるので、気候変動対策の重要性に改めて注目が集まれば」と話していました。
気象庁は、「真鍋先生は気候のシミュレーションモデルの開発や、それを用いた気候変動予測に関する研究など、私たちが科学的根拠をもって気候変動を正しく理解するための研究をまさに先頭に立って進めてこられました。今回、真鍋先生の気候変動に関する研究業績がノーベル物理学賞として認められたことは、気象庁職員一同にとって大きな喜びであり、また大変励みになるものです。気象庁としては関係省庁や国内外の関係機関と協力しながら、真鍋先生が切り拓いてきた研究分野をより進展させ、気候変動の諸課題に対応するための科学的情報の提供に努めて参ります」とコメントを発表しました。
(※内容は「読売新聞」より一部抜粋)
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受賞が決まった真鍋氏がインタビューで「タイムリーな賞だ」と喜びを語られていて、印象的でしたね。また、「初めは気候変動がこれほど問題になるとは夢にも思わなかった。」とも。
毎年、ノーベル賞受賞のニュースでは長年続けられてこられた研究者の言葉に心動かされます。
真鍋氏の言葉「好奇心を満たす研究を続けてきただけだ。」
この言葉が未来を担う多くの子供たちに響いて届けばよいなあ、と願います。
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