コロナウイルスは、家畜や野生動物などの間で多く見られるウイルスですが、ごくわずかの種類は、人間に感染します。
恐ろしいのは、動物のみしか感染しないコロナウイルスが、進化して人類に伝播することです。動物から感染したコロナウイルスとしては、急性呼吸器症候群の冠状ウイルス(SARS-Coov)や中東呼吸症候群の冠状ウイルス(MERSーCoV)などが有名ですが、重症化しやすく人間にとって非常に危険です。
(コロナウイルスの大きさと種類)
コロナウイルスは、直径約80〜120ナノメートル(nm)で球形または楕円形をしています。
また、コロナウイルスにはたくさんの種類があります。
国立感染症研究所の情報によると、人に感染するコロナウイルスは、これまで6種類が確認されています。
その内の2種類は私たちもよく知っているSARS(2002年〜2003年)とMARS(2012年〜現在)です。この2つは感染すると重症化しやすく非常に危険です。
SARS(2002年11月〜2003年7月)
SARS−CoV(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス)は、中国広東省から感染が広がりました。全世界で8,069人が感染、775人が死亡、致死率9.6%です。
キクガシラコウモリが保有していたウイルスが、何らかの原因で人に感染したと考えられています。
MARS(2012年〜現在)
MERS−CoV(中東呼吸器症候群コロナウイルス)は、アラビア半島から感染が広がりました。
2019年11月30日時点で、全世界で2492人が感染、858人が死亡、致死率は33.4%です。
ヒトコブラクダに風邪症状を引き起こすウイルスが、何らかの原因で人に感染したと考えられています。
残りの4種類は、人コロナウイルス(Human Coronavirus : HCoV)と呼ばれています。
それぞれHCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1 と命名されており、いわゆる風邪を引き起こすウイルスのことです。
実は、病院で風邪と診断された人の10〜15%(冬の流行期35%)は、この4種類の人コロナウイルスの感染症によるものです。
2019年12月に武漢で発生した新型コロナウイルスは、この6種類と異なるため、人に感染する7番目のコロナウイルスとなります。もともとコウモリだけが感染するウイルスでしたが、何らかの原因で人に感染したと言われています。
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