厚生労働省は、自治体などが運営する水道事業者に、3〜5年ごとに水道料金の検証と見直しを求める方針を決めた。人口減少による収入減と、老朽化した水道管の更新費用の工面が全国的に深刻な課題になっており、安全な水を提供し続けるために財源の確保が必要になる。料金見直しのルール化で、値上げの動きが広がりそうだ。
厚労省の専門委員会が26日、料金見直しのルールを盛り込んだ基本方針案をまとめた。意見募集した上で告示し、10月施行の改正水道法の施行規則にも同様の規定を追加する方針。
水道事業は原則、市町村が運営する。給水対象が5千人を超す事業者は、経費を料金収入で賄う「独立採算」が基本。だが、人口減少や節水によって水の使用量が減る一方、高度成長期に急速に整備された水道管が更新時期を迎えている。その費用もかさみ、経営環境は厳しくなっている。
日本水道協会によると、月20トン使う家庭用の平均料金は、2018年4月時点で3244円。5年間で平均135円上がり、4割引き上げた自治体もある。しかし、水道は命に関わる生活インフラで、水道法は安価な水の供給を目的としている。料金値上げへの抵抗感は強く、踏み切れない自治体は少なくない。
|