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HOME > 今月のひとくちメモ > 2018.9月号 
今月のひとくちメモ
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■□□サマータイムについて
 サマータイム(時計画像)  >>日本での導入検討?

2020年に開催される東京オリンピックでは開催時期に猛暑が予想されることから、暑さ対策としてサマータイム導入の検討がされております。今回は「サマータイム」について調べてみましたのでご紹介します。


■サマータイムとは?

サマータイム(夏時間)とは、日の出時刻が早まる時期(3月〜11月)に、時計の針を1時間進め、太陽の出ている時間帯を有効に利用することを目的として、欧米を中心に導入されています。また、日本では『サマータイム(夏時間)』と言ってますが、アメリカでは通常『デイライト・セービング・タイム(Daylight Saving Time(DST))』と呼ばれています。太陽光(Daylight)を有効活用(Saving)する時間制度(Time)という意味です。


日本でもかつて導入された時期があります。第二次世界大戦後、GHQ指導下で導入され、1948年5月から9月に初めて実施。その後毎年実施されましたが、残業増加や寝不足を引き起こすなどとして不評をよび、1951年の実施が最後となりました。日本での実施はわずか4シーズンとなりました。


■サマータイムのメリット

サマータイム導入によって以下のような効果が期待できると考えられています。

・明るい時間を有効に使えるので『照明の節約』になる

・活動時間が増えることによる経済の活性化。

・午後の日照時間が増えることによる余暇の充実。

・交通事故や犯罪発生率の低下。

 ※日の出とともに起きるというのは、生物的には適した生活スタイルです。


■サマータイムのデメリット

コンピューターを利用する各種システム(OSやソフトウェアの時計機能など)を更新しなければならないなど、移行コストがかかることが懸念されています。

また、定時になってもまだ明るい為、就業時間が延びてしまい、結果、残業時間が増えることも懸念されています。過去に日本でサマータイムが廃止された背景には、こうした残業時間の増加や労働条件の悪化も要因にあったようです。


さらに、時刻切り替え時に一時的に交通事故が増加するという報告もあります。カナダブリテイッュコロンビア州では夏時間導入直後の月曜日には変更直前の月曜日より交通事故が平均で23%増加するとして注意が呼びかけられています。


■サマータイムの時期は?

サマータイムの実施期間や実施地域は国によって様々です。


○アメリカ、カナダ、メキシコ(一部除く)

<開始日>3月の第2日曜日午前2時

<終了日>11月の第1日曜日午前2時

開始日→午前1:59の次は時計の針を1時間進めて午前3時に。

終了日→午前1:59の次は時計の針を1時間戻して午前1時に。

また、開始日は1日が23時間、終了日は25時間になります。


○ヨーロッパ各国(一部除く)

<開始日>3月の最終日曜日午前1時

<終了日>10月の最終日曜日午前1時


○オーストラリア(州によってサマータイムを実施しています)

<開始日>10月の最終日曜日午前2時

<終了日>翌年3月の最終日曜日午前3時


○ニュージーランド(一部除く)

<開始日>9月の最終日曜日午前2時

<終了日>翌年4月の第1日曜日午前3時


○ブラジル(一部除く)

<開始日>10月の第3日曜日午前0時

<終了日>翌年2月の第3日曜日午前0時


同じ国でもサマータイムを採用していない州がある

アメリカでは、サマータイムを採用していない州もあるため、採用している州としていない州を行き来する際に時計の針を調整しなければいけない場合があります。例えば、カリフォルニア州のお隣のアリゾナ州ではサマータイムを実施していないため、夏にアリゾナ州に入る時には時計を1時間遅らせなければいけません。

■国別実施状況について

●サマータイムを実施していたが廃止した主な地域

アイスランド、アゼルバイジャン、アメリカ合衆国の一部、アルゼンチン、イラク、オーストラリア北部・西部、カザフスタン、カナダの一部、キルギス、コロンビア、トルコ、ナミビア、フィリピン、モンゴル、リビア、ロシア、日本、香港、韓国、中華人民共和国、中華民国(台湾)


●サマータイムを実施したことがない地域

ベトナム、タイ、インドネシアなど、東南アジア諸国の大半、アラブ首長国連邦、イエメン、オマーン、カタール、サウジアラビア、アラビア半島に位置する全国家、パプアニューギニア、ベネズエラ、ケニアなどアフリカの30カ国以上、北朝鮮、ネパール、ブータン、アフガニスタン


国別実施状況(地図)
(出典:wikipedia)


■日本での議論

では、なぜ今、日本でのサマータイムの導入が議論されているのでしょうか。昨今、欧米メディアが連日の猛暑を見て世界的スポーツ大会を東京で開催することを不安視する報道を続けてきました。これを受けて日本政府内では「何らかの対策を講じる必要がある」という声があがっていたようです。しかし、スポーツ大会期間中の猛暑対策のためだけに国民全体を巻き込んでサマータイムを実施する必要が本当にあるのかという意見もあります。


また、40年以上にわたって定着していた欧州において、夜間の省エネルギー効果が乏しいうえに、健康面への悪影響から廃止論が強まっています。

今後の日本における議論にも影響があるかもしれません。




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