「建国記念日」とは、文字通り「建国を記念する日」です。
「記念日」とは、歴史的事実として日付が確定している日を記念するという意味があり、「記念の日」とは、日付が確定していないけれどそのことを記念する日という意味になります。
建国の定義は国によってさまざまですが、多くの国は「この日に建国された」と、日付が歴史的事実として確定しています。
例えば、アメリカの建国記念日は「独立記念日」とされ、1776年の大陸会議でアメリカ
独立宣言に署名がされた日です。ほかにも、1991年8月24日にソビエト連邦が崩壊し、
独立を宣言したウクライナや、1957年3月6日にイギリスから独立したガーナなど、建国
記念日を「独立記念日」としている国は世界に多く存在します。
1944年11月29日にイタリア軍からの解放を宣言したアルバニアや、1878年3月3日に
オスマン帝国より独立を宣言したブルガリアのように「解放記念日」としている国もあります。
1955年10月26日に永世中立国を宣言したオーストリア、1291年8月1日にスイス制約
同盟が結ばれたスイスなどのようにそのままの呼び方で「建国記念日」としている国も
あります。
(イタリア解放記念日のイベント)
しかし、日本の場合はその日付が明確ではありません。
神武天皇が即位された日とされ、日本書紀にもそのことは記されているのですが、神武天皇は日本神話の人物であり、実在しなかった・・・と考えている人もいるため、紀元節 を復活させようと話し合っているときに、神武天皇が即位された日を祝日にすべきかと いう議論が生まれたそうです。
紀元節を復活させようという動きは昭和26年(1951年)ごろからみられ、昭和32年( 1957年)には自由民主党が「建国記念日」制定に関する法案を提出していました。しか
し、当時の野党第1党の日本社会党が反対し、衆議院では可決されたものの、参議院では廃案になります。
その後、「建国記念日」を制定しようとする法案は提出と廃案を繰り返し、紆余曲折を経て、昭和38年(1963年)に名称に「建国記念の日」と「の」を挿入することで、建国されたという事そのものを記念する日であると解釈できるようにし、昭和41年(1966年) に「建国記念の日」を定める祝日法改正案は成立し、2月11日は「政令で定める日」と 定められました。
「建国記念の日」に「の」が入っているのにはこのような深い訳があったのですね。
神武天皇が即位されたのは紀元前660年のとされていますから、建国から2675年経っていることになります。そのため、日本は世界最古の国ともいわれています。 (神武天皇が神話の人物だという議論は現在も続いていますが。。)
また、世界中の建国記念日を調べていく中で、独立した日や解放された日を建国記念日としている国が多く存在することが分かりました。
日本は占領された歴史がなく、いつの間にか国が出来上がっていたために、明確な建国の日を記す記録がないのですね。
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