>>原因と対処法について
外気温が下がる冬は、一年でもっとも結露が発生しやすいシーズンです。
放っておくとカビの原因になったり、家を傷めたり、ときには人体に悪影響を及ぼすこともあります。そこで、結露の起こる原因、発生しやすい場所、軽減する方法など、
結露対策をご紹介します。
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■結露の起こりやすい場所、原因は? |
(結露の起こりやすい場所は)
お風呂場の周辺や調理で大量の水蒸気が出るキッチンはもちろん、冷えやすいところや、
風通しの悪いところ、温度差が大きいところが発生しやすい場所になります。
(結露の起こる原理は)
水蒸気として空気の中に入ることができる水分の量には制限があります。
暖かい空気は水蒸気をたくさん含むことができますが、 冷たい空気は少ししか含むことができません。室内で温められた空気が、外気で冷やされた窓ガラスに触れると、空気中の水蒸気が水滴になるのです。
部屋に暖房をかけ室温が高まると、相対的に湿度下がって乾燥しているように感じますが、
実は空気中には大量の水蒸気を含むことになります。暖房を切ったり夜になって気温が下
がると、結露が起こりやすくなります。
また、空気は暖かいところから冷たいところへと流れていく性質があります。暖かい部屋とそうでない場所に大きな温度差を作ってしまうと、暖かい空気に含まれた大量の水蒸気が寒い箇所に流れ込み、そこで結露を発生させてしまいます。
空気が入り込んで結露を起こすのは、窓際だけではありません。
押し入れや家具の裏、天井裏など、家の中のいろいろな場所で結露が起こってしまいます。
【結露のもとになる室内の湿気の原因】
●灯油ファンヒーターやガスファンヒーター
灯油やガスが燃焼する際に、大量の水蒸気が発生します。つけっぱなしにすると、部屋の湿度もぐんぐん上昇するので要注意です。
●洗濯物の室内干し
洗濯物を室内に干すと、洗濯物に含まれる水分で湿度が上がります。冬は大気が乾燥しているため、多少の雨なら屋根付きの野外に干す方が乾きやすいことも。
●観葉植物や水槽
植物の呼吸や水槽内に張られた水によって、室内に水蒸気が拡散。これも、湿度上昇の原因になります。
●風呂場や台所の水気
湯気が湧き上がるお風呂はもちろん、調理中は煮炊きによって大量の水蒸気が発生します。
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■結露がもたらす弊害 |
■家が傷む・もろくなる
木造住宅はもちろん、木材を多く使用した住宅にとって、湿度や結露は大敵です。
結露のなかには、「内部結露」といって、壁の内側や床下などで発生するものもあり、気づかないうちに構造材が腐ったり、もろくなったりして家の強度低下につながります。
■漏電や火災が起こることも
壁際でコンセントを使ったり、インターネット用の通信ケーブルをひいたりしている場合、これらの電子製品やケーブルに結露の水滴がしたたり落ちると、漏電や火災などを引 き起こす恐れがあります。
■カビによる健康被害がでることも
結露で濡れた窓や壁、床、じゅうたんなどを放置すると、カビが発生します。カビは、さまざまな病気の原因になり、健康被害につながることも。また、カビが生えると、そ
のカビを食べるダニが繁殖し、かゆみやぜんそくなどの原因になりかねません。
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■結露対策 |
(1)室温を上げすぎない
暖房器具の温度は19℃を目安に。湿度は40%程度にします。
(2)換気扇を活用する
換気扇を回すのも手軽にできる対策です。暖かい部屋の空気を外に出し、別の部屋の乾いた空気を取り入れましょう。これによって室内空気の移動が発生し、結露を抑えることができます。
(3)家具や荷物を壁から離し、空気の流れを作る
目につきにくい家具の裏や押し入れ内の結露を防ぐには、風の通り道を確保します。
家具は壁から5cm以上離して設置。結露しやすい外壁側に家具を置かないようにするのも良いでしょう。押し入れの中には荷物を押し込めないように注意。床にスノコを敷き、空気が通るようにしましょう。
(4)浴室や台所の水蒸気が、他の部屋へ行かないようにする
入浴や調理で生じた水蒸気は、換気扇を回したり窓を開けたりして屋外に排出。水蒸気が他の部屋に行かないようにしましょう。
(5)除湿器を使う
目に見えない湿度のコントロールは難しいですが、除湿器で確実に湿度調整を行って結露を防ぎます。
(6)窓に結露防止シートや断熱フィルムを貼る
エアキャップなどのシートを貼ることで、窓と室内の間に空気の層を作ります。室内の空気が冷たいガラスに触れるのを防ぐほか、保温効果も期待できます。
(7)結露してしまったら、こまめに拭き取る
窓の下部に吸水テープを貼ると、結露の水が床に流れ落ちるのを防ぐことができます。
また、水取り用ワイパーで落とすのも良いでしょう。
◎最も効果的なのは窓のリフォームです。
近年、環境意識の高まりとともに、さまざまなメーカーから断熱性能の優れたサッシなどが発売されています。
(断熱性能の高い複層サッシ断面図)
リフォームにはかかる費用については、省エネ改修工事をした場合の減税制度(住宅特定改修特別税額控除)や自治体による補助金の交付など、公的な制度も用意されています。適用には条件がありますから、事前に施工を依頼する業者や自治体などに相談して、上手に活用できるとよいですね。
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