>>予防と対策
冬に流行する感染性胃腸炎はウイルスによるものが多く、特にノロウイルスは初冬から12月にピークとなり2月頃まで流行します。
ノロウイルスは人の小腸粘膜で増殖するウイルスです。
潜伏期間は1〜2日で、主な症状は下痢・嘔吐・吐き気・腹痛で微熱を伴う場合もあります。感染力が強いため、家庭の中に感染した者がいると二次感染を引き起こすことがあるので注意が必要です。
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■感染予防の基本は「手洗い」 |
ノロウイルスの感染経路はほとんどが経口感染(口から)です。
日頃から食事前やトイレの後には石けんでしっかり手を洗い予防しましょう。
また、二次感染を防ぐため、患者のふん便や嘔吐物などに直接触れないよう、手袋を着用するなど、処理には十分注意してください。
処理した後は、石けんでしっかり手を洗い、うがいをしましょう。
手を洗う時は腕から指先まで30秒以上しっかり洗いましょう。
[手洗いの前の準備]
・爪は短く切っていますか?
・腕時計や指輪を外していますか?
[汚れが残りやすいところ]
・指先
・指の間
・親指の周り
・手首
・手のしわ |
(しっかり手洗い!)
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■食品の取り扱いについて |
食品を介した感染を防止するためには、手洗いを十分に行い、食品を十分に加熱することが
効果的です。ノロウイルスは85℃以上1分以上の加熱で感染性を失うので、特にカキやアサ
リ、シジミなどの二枚貝はしっかり加熱する事が重要です。
加熱出来ない生鮮食品(野菜・果物)は流水で十分に洗浄します。
手指や調理器具の洗浄・消毒も忘れずに行いましょう。
(調理器具の洗浄・消毒も忘れずに!)
ノロウイルスは通常の石けんやアルコールでは十分に消毒できませんので、
熱湯または、次亜塩素酸ナトリウム(台所用漂白剤など)を用いましょう。
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■ノロウイルス胃腸炎にかかってしまった時は |
下痢や嘔吐が続く間は脱水症状に注意してください。
高齢のかたや子どもの場合、ぐったりする、唇が乾燥する、尿が濃くなるなどの症状が現れた時はすぐに病院を受診しましょう。
特に高齢のかたは誤嚥(嘔吐物が気管に入る)により肺炎を起こすことがあるため、体調の変化に注意しましょう。
吐き始めた3〜4時間は何を飲んでも吐いてしまいます。
しばらくすると吐き気がおさまってくるので、安静にして少しずつ水分補給をすすめましょう。
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■正しい汚物の処理方法 |
感染者のふん便や吐物を間違った方法で処理すると、処理に携わった人に二次感染する恐れがあります。感染に十分に注意しながら、スピーディーかつ、確実に行うことが肝心です。
汚物を処理する場合は、部屋を十分に換気し、使い捨ての手袋やマスクをつけ、タオルや
ペーパータオルなどで汚物を除去します。その後、次亜塩酸ナトリウム(台所用漂白剤など)で消毒します。処理したものや拭き取りに使用したタオルやペーパータオルはビニール袋に密閉し、漏れないようにして廃棄しましょう。
注意:ノロウイルスは乾燥すると容易に空中に漂い、口に入って感染することがあるので、
汚物を乾燥させないうちに処理することが重要です!
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