>>日本の下水道の現状と課題
今回は日本の下水道の現状と抱える課題について、国土交通省の資料を
もとに紹介してみます。
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■下水道の役割 |
下水道が担う役割は時代とともに変化してきています。
下水道の現状を踏まえ、今後の課題について、以下の項目にそってみていき
たいと思います。
○公衆衛生の向上・生活環境の改善
○浸水の防除
○公共用水域の水質改善
○資源循環・水循環の促進
○省エネルギー対策・未利用エネルギー活用
○地震対策
○事故の未然防止対策・下水道施設の資産管理
○下水道施設空間の活用
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■公衆衛生の向上・生活環境の改善 |
・下水道処理人口普及率※ 68.1%(H16年度末)
・未普及人口、約2,500万人(H16年度末)
・大都市と中小市町村では大きな格差がある
人口5万人未満の市町村の普及率 36.3%(H16年度末)
・地域格差が大
※総人口に対して、下水道を利用できる人口の割合
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■浸水の防除 |
・近年集中豪雨が増加し、都市型水害が頻発
・浸水被害のうち、内水によるものが全体の約半数
・特に、東京都ではその割合は9割以上
・下水道における都市浸水対策達成率※51.9%(H16年度末)
※下水道による都市浸水対策の整備対象区域の面積のうち、概ね5年に1回
程度の大雨に対して安全であるよう、既に整備が完了している区域の面積の割合 |
■公共用水域の水質改善 |
(高度処理)
・湖沼や三大湾のような閉鎖性水域の環境基準の達成率は、低い水準
で横ばいのまま
・水質保全上重要な地域において、普及拡大に加え高度処理施設の整備
を推進
・環境基準達成のための高度処理人口普及率※ 13%(H16年度末)
※高度処理が実施されている区域内人口の総人口に対する割合
(合流式下水道の改善)
・合流式下水道改善率※ 17%(H16年度末)
・平成16年度より原則10年間で合流式下水道の改善を完了することを、下水道法施行
令で義務付け
※合流式下水道の整備区域面積のうち雨天時の汚濁負荷量が分流式下水道並以下まで改善
されている区域の面積の割合
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■資源循環・水循環の促進 |
・下水道汚泥リサイクル率※67%(H16年度末)
※下水汚泥の総発生量に対してリサイクルされている下水汚泥量の割合 ・下水処理水を、水・緑環境の創出、ヒートアイランド現象の緩和、都市再生に
最大限活用
・処理水の有効利用率 1.4%(H15年度末)
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■省エネルギー対策・未利用エネルギー活用 |
・下水道の電力使用量は、日本全体の約0.7%(H16年度)
・一定規模以上の下水処理場に、1%/年以上削減することを義務付け(省エネ法)
・電気事業者に、バイオマス等の新エネルギーを一定量以上利用することを義務
付け(RPS法(新省エネ法))
・下水道からの温室効果ガス排出量 日本全体の約0.4%(H15年度)
・下水道汚泥焼却に伴う一酸化二窒素等の温室効果ガスの排出抑制対策を推進
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■地震対策 |
・下水道施設が被災すると市民の生命や社会活動に重大な影響
例えば、
− 汚水管きょ等の流下機能喪失、処理施設の処理機能喪失による、伝染病の
発生やトイレの使用制限
− 雨水管きょ等の流下機能喪失による、避難所等を含む生活空間の甚大な
浸水被害
− マンホールの突出、道路陥没による、救援活動の支障、復旧活動の支障
・新耐震指針策定前の下水道施設の耐震化は、非常に遅れている
例えば、
− 下水処理場 耐震診断実施済み 約1〜2割 うち、耐震化済み 約2〜6割
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■事故の未然防止対策・下水道施設の資産管理 |
・下水道管きょ整備延長の増大に伴い道路陥没箇所が大幅に増加
・処理開始から50年以上を経過し、土木施設更新の対象となる管きょや処理場
が増加
・処理開始から15年以上が経過し、機電設備更新の対象となる処理場が今後、
急増
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■下水道施設空間の活用 |
・上部利用実施処理場率は、約13%(250処理場)
・上部利用実施面積率は、約3%(261ha)
(全処理上面積は、約8,400ha(全都市公園の約1割相当))
・総管きょ延長は、37万km
・下水処理場やポンプ場の上部空間は、過密化した都市における貴重なオープン
スペースであり、公園やスポーツ施設等の憩いの場やせせらぎ・ビオトープの水
と親しめる場として活用
上部利用施設用途
用途 |
施設 |
処理場 |
ポンプ場 |
計 |
公園・広場 |
118 |
33 |
151 |
スポーツ施設 |
108 |
11 |
119 |
構築物 |
27 |
24 |
51 |
駐車場 |
18 |
2 |
20 |
その他 |
3 |
1 |
4 |
計 |
274 |
71 |
345 |
(社)日本下水道協会HPより(平成16年3月31日現在 重複有り)
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■下水道施設空間の活用(高度情報化社会の形成)
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・下水道光ファイバー整備延長 1,591km整備(H16年度末)
・光ファイバーの民間開放
− 心線貸し 264km
− 空間貸し 240km
・下水道光ファイバーを活用した地域情報化 4カ所
− 北海道泊村 富山県入善町 岡山県岡山市、新見市
・光ファイバー等通信線を敷設するために管きょ空間を開放し、高度情報化社会の実現に
貢献
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