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HOME > 今月のひとくちメモ > 2012.5月号 
今月のひとくちメモ
水・環境・省エネに関するくらしにちょっとお得なヒントをお届けして参ります。
■□□注目される地熱発電
地熱発電所 >>日本の地熱エネルギー


    東日本大震災以降、原子力発電所の事故をきっかけに、クリーンで安全な自然エネ
  ルギーが注目を集めていますが、今回はそのなかでも「地熱発電」について紹介して
  みましょう。

■地熱発電のしくみ
   地球の内部で生成され、そして蓄えられている地熱をエネルギー源として発電します。
  地熱によって発生した天然の水蒸気を用いてタービンを回し電力を作るという仕組みを
  とっています。純国産エネルギーであることや、二酸化炭素の排出量が少なく環境に優
  しいなどといった特徴があります。
 
  【地熱発電の成り立ち】
  地熱発電の成り立ち
    (出典:経済産業省資源エネルギー庁)


■地熱の特性
  【特 長】
   ○運転中のCO2排出量がほとんどない等、環境負荷が小さい。
   ○本邦に賦存するクリーンで純国産のエネルギー。
   ○地下熱源から一定の蒸気噴出が期待できるため、ベース供給力として位置づけ。
   ○平均70%という稼働率の高さ(風力:約20%,太陽光:約12%)
     発電種類によるCO2排出量グラフ(電力中央研究所の調査より)

  【課 題】
   ○候補地の多くが温泉地や国立公園、国定公園内にある。
    → 温泉事業者からの反発、国立公園の開発規制。
   ○2,000m程度のボーリング調査において地下熱源の確認を要するため、
    開発リスクが高い。地下熱源調査から地熱発電所の運転開始に至るまでの
    リードタイムが長い(15年〜20年)。
    → 建設コストが高価(16.2円/kwh:代表的なモデルプラントの15年運転
       ベースで試算)である一方、長期間地下熱源からの蒸気噴出がなされれ
       ば発電原価は一般火力並みかそれ以下にまで低減。

■日本の地熱発電所
   現在、日本で稼動している地熱発電所は以下の通りです。
  日本の発電所一覧
                               (出典:経済産業省資源エネルギー庁 2008年)
■高い日本の技術力
   世界の地熱市場に占める日本製タービンのシェアは極めて高く、富士電機、三菱重工、
  東芝の3社合計で、市場全体のほぼ7割を占める。地熱発電に利用される地熱蒸気の
  中には、酸性物質を含む多くの化学成分が含まれるため、耐腐食性の高い機器が要求
  されるが、こうした部分でも日本の技術が評価されている。また、地面を掘る掘削技術も
  高く、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の深部地熱資源調査では’95年、
  深度約3700mで500℃を超える高温を記録。地下で測定された温度としては世界最
  高。さらに地下の高温の蒸気や熱水を探し当てる技術にも優れているという。


   再生可能エネルギーの利用を大幅に促進するために、地熱発電が有望な発電源の
   ひとつであると政府が判断するならば、地熱開発固有の課題を勘案しつつ、長期的
   視点から明確で一貫性のある施策の実施が求められます。


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