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■□□熱中症の予防と対策 今月のひとくちメモINDEXへ
熱中症の予防と対策 >>節電下の対策について


   節電が求められる中、これから迎える厳しい暑さに対し熱中症(熱射病、日射病など)
   を防ぐにはどうしたらよいか、対策について考えてみましょう。

  ■熱中症とは
    高温環境下で、体内の水分や塩分(ナトリウムなど)のバランスが崩れたり、体内
    の調整機能が破綻するなどして、発症する障害の総称です。
    死に至る可能性のある病態ですが、予防法を知っていれば防ぐことができます。
    また、応急処置を知っていれば、救命できる場合もあります。

  ■こんなときは要注意
環境因子 ・気温が高い、湿度が高い
・風が弱い、日差しが強い
・照り返しが強い、輻射熱が強い 
・急に暑くなった
危険信号 ・高い体温
・赤い・熱い・乾いた皮膚
 (全く汗をかかない、触るととても熱い)
・ズキンズキンとする頭痛
・めまい、吐き気
・意識の障害
 (応答が異常である、呼びかけに反応がないなど)

但し、上記の症状は屋内の発症では出にくいことが多いようです。
「だるい」「夏風邪」かな、と感じたら要注意。介護している高齢者であれ
ば、尿が少ない、色が濃いなど脱水の兆候があれば早めの対処が必要
です。

 非常に暑い環境下で、上記の症状があれば熱中症を疑うことができますが、このよう
 な典型例ばかりが熱中症ではありません。
 まず、熱中症の発生は、梅雨の合間に突然気温が上昇した日や梅雨明けの蒸し暑
 い日など、身体が暑さに慣れていない時に起こりやすい、ということを念頭にお
 いておかなければなりません。下の図は2010年夏の例ですが、梅雨明け後の7月下
 旬から8月下旬まで高温により多くの熱中症患者が発生しましたが、とくに、7月下旬
 の最初の熱波で多くの重症患者が発生しました。


       

 屋外で作業やスポーツをして熱中症になる人は軽症が多く、むしろ室内で普段の
 生活を送っていた高齢者が重症になる場合が多い傾向があります。高齢者は汗を
 出して体温を調節する機能が弱く、急な暑さに順応できません。熱中症に気付かず
 脱水や疲れが進み、死に至ることもあります。 
 

  ■予防(日常の注意)
<注意点> <具体例>
(1)暑さを避ける
・日陰を選んで歩く
・朝のうちに打ち水をする
・ブラインドやすだれを垂らす
・日傘、帽子を利用する
・扇風機や空調(エアコン)を使う
(2)服装を工夫する
通気性がよく、汗を吸って、服の表面から蒸発
させることができるものが理想です。
襟もとはなるべくゆるめて通気しましょう。
「COOL BIZ」を実行する。
(3)こまめに水分を補給
「水分を摂り過ぎると、汗をかき過ぎたり体が
バテてしまうのでよくない」というのは間違った
考えです。暑い日には、知らず知らずのうちに
じわじわと汗をかいていますので、活動強度に
かかわらず、こまめに水分を補給しましょう。
なお、アルコールで補給するのは誤りです。
一旦吸収した水分も、それ以上の水分がその
後に尿で失われてしまいます。
(4)急に暑くなる日に注意! 熱中症は、例年、梅雨明け頃に多発する傾向
があります。人間が上手に発汗できるようにな
るには暑さへの慣れが必要です。
急に暑くなった日に屋外で過ごす人や、久しぶ
りに暑い環境で活動する人は、暑さに徐々に
慣れるように工夫しましょう。
(5)暑さに備えた体づくりをする 暑さに対する体の適応は気候の変化より遅れて
起こります。日頃から汗をかく習慣を身につけて、
暑さに慣れておくことが有効になります。汗をかか
ない季節からでもウォーキングなどし、汗をかく機
会を増やしていれば夏の暑さに負けない体を準備
できることになります。
また、朝食をしっかり摂る、十分な睡眠をとる、など
日頃から体調を整えておきましょう。
(6)集団活動の場では配慮を ・休憩場所を確保する
・個人の体調を観察する
・体調不良は早めに正直に申告する

  ■もし、熱中症が疑われるときは
    まず、死に直面した緊急事態であることを認識しなければなりません。
    重症の場合は救急隊を呼ぶことはもちろん、現場ですぐに体を冷やすことが必要です。

    (1)涼しい環境への避難
    (2)脱衣と冷却
       重傷者を救命できるかどうかは、いかに早く体温を下げることができるかに
       かかっています。救急隊の到着前から冷却を開始することが求められます。
    (3)水分・塩分の補給
       大量の発汗があった場合は汗で失われた塩分も適切に補える経口補水液や
       スポーツドリンクなどが最適です。
       しかし、意識障害がある場合は誤って水分が気道に流れ込む可能性があります。
       また、吐き気がある場合はすでに胃腸の動きが鈍っている証拠です。これらの
       場合には、経口で水分を入れるのは禁物です。
     (4)医療機関への情報提供
       「暑い環境」で「いままで元気だった人」が突然「倒れた」といったような熱中症を
       強く疑わせる情報は、医療機関が熱中症の処置を即座に開始するために大事な
       情報ですので積極的に伝えましょう。

  ■節電下の対策として

    ■エアコンはどう使うか
      政府や電力会社が節電を呼び掛けているが、高齢者や持病のある人はエアコンを
      使うべきです。室温を28度以下に保ち、湿度も70%以下に。湿度が高いと肌から
      水分が蒸発しにくく、気温25度でも熱中症になることがあります。扇風機と併用す
      れば効率的に室内を冷やせて節電にもつながります。太い血管が通る首や脇の
      下、足の付け根を保冷剤で冷やす方法も有効でしょう。

    ■水分補給の方法は?
      5度の水を飲んで体温と同じ37度の尿が出るのは、その温度差の熱が体から
      奪われるということです。のどの渇きを感じなくても、冷えた水をコップ半分ほど
      1時間おきに摂るのが望ましいと思われます。

   熱中症に一度かかった人は再度かかりやすい、とも言われています。
   かかったことのある人もない人も日頃から意識して熱中症予防を心がけたいものです。


    *参考文献
     環境省−「熱中症環境保健マニュアル」

    
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